⑤建屋内の汚染水管理

【現状】

建屋内への地下水流入抑制対策として陸側遮水壁設置等を予定しているが、これらの対策が 十分機能しないリスクを低減する為に、敷地内における主な地下水の供給源である敷地山側(海 抜約 35m エリア)での降雨の地下浸透の減少、山側での地下水の遮断(原子炉建屋等の南北へ の地下水誘導による建屋への流入量減少)を行うことが望ましい。

なお、対象範囲は広範囲に亘り、その地形や設置設備を考慮して施工できることや設置後の 地下水位低下による地盤沈下等の対策も含めた総合的な対策プランの立案が求められる。

【求める技術】

(1)遮水壁の施工技術

  • 原子炉建屋等の設置場所(海抜約 10m エリア)の山側に遮水壁(スラリー壁、グラウトカーテン等)を設置することで、山側からの地下水を原子炉建屋周辺から回避させること(図5-1 参
    照)。ただし、陸側遮水壁設置の阻害とならないよう施工できること
  • 敷地山側(海抜 35m エリア)に遮水壁(スラリー壁、グラウトカーテン等)を設置することで、山側からの地下水をより上流から低減させること(図5-1 参照)
    尚、当該エリアは原子炉建屋等から距離があるため、十分な効果を得るためには施工範囲が広範囲となる可能性がある。

(2)雨水浸入防止フェーシング

  • 敷地山側の広範囲に、雨水が地下へ進入することを防止する目的でフェーシングすること(図5-1 参照)

図5-1 構内敷地概要図

図5-1 構内敷地概要図

(3)土壌中の放射性ストロンチウム捕集手法

  • 土壌への薬剤注入により、土壌中の放射性ストロンチウムを選択的に捕集できること
  • 土中にて捕集したストロンチウムを除去できること
  • 地下水の流動を妨げないこと