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遮蔽ブロック&鉄板取り外し装置「TEMBO」の作業トレーニング実施中(三菱重工業)(2015年5月28日)

2015年5月28日

IRIDでは、小型ロボットを活用して、福島第一・2号機のPCV(原子炉格納容器)内部調査(A2調査)を計画しています。この調査では、小型ロボットを圧力容器の真下にあたる位置まで進入させ、カメラや線量計、温度計を駆使して、今後の廃炉シナリオの検討に必要なデータを取得することを目的としています。

 

しかし、現在、小型ロボットの進入路となる配管(PCV貫通部)前には、放射線を遮蔽するためのブロック140個弱(最大重量:40㎏弱)と鉄板3枚(厚さ:約5mm・約25kg/枚)が設置されています。ロボット投入前には、これらを遠隔操作で取り外しておく必要があります。

IRID組合員である三菱重工業は、積み上がったブロック等を遠隔操作で取り外す装置「TEMBO」の開発を進めてきました。

TEMBOは、台車となるフォークリフトに、人間の腕や手先に相当するマニピュレータやエンドエフェクタ等を装備した装置です。

腕部となるマニピュレータは、7軸構成により限られた空間での作業を可能にするとともに、エンドエフェクタを含めて最大60kgの可搬質量を実現しました。これにより約50kgまでのブロックが取扱可能です。

また、マニピュレータを駆動する台車の軸テーブルのストロークを拡大し、マニピュレータの可動範囲を広げて、持ち上げたブロックを回収ボックスに円滑に移せるように改善しました。

手先部分となるエンドエフェクタについても、仕様を改善して可搬能力を強化するとともに、色々なリスク(落とした場合の回収、鉄板ボルトの弛め、切削、タガネによる引きはがし等)を想定して種類・タイプを充実しました。

2015年5月22日には、IRIDの遠隔装置関連の専門委員に、同装置や作業トレーニングの様子をご覧いただき、さまざまなアドバイスをいただきました。

IRIDでは、モックアップでの作業トレーニングをさらに重ね、6月中に福島第一・2号機でTEMBOによる作業を開始します。

※TEMBOは、スワヒリ語で「象」を意味します。

<「原子炉格納容器内部調査技術の開発」ペデスタル内側_プラットホーム上調査(A2調査)の現地実証試験のうちX-6ペネ用遮へいブロック撤去の実施について(2015年5月28日)>
https://irid.or.jp/wp-content/uploads/2015/05/20150528_01.pdf

<「原子炉格納容器内部調査技術の開発」2号機原子炉格納容器内部調査(A2調査) X-6ペネ用遮へいブロック撤去の進捗状況について(2015年6月25日)>
https://irid.or.jp/wp-content/uploads/2015/06/20150625.pdf

<「原子炉格納容器内部調査技術の開発」2号機原子炉格納容器内部 A2調査(X-6ペネ周りの状況について)(2015年6月29日)>
https://irid.or.jp/wp-content/uploads/2015/06/20150629.pdf

<「原子炉格納容器内部調査技術の開発」2号機原子炉格納容器内部調査(A2調査)X-6ペネ用遮へいブロック撤去の状況について(2015年7月13日)>
https://irid.or.jp/wp-content/uploads/2015/07/20150713.pdf

<2号機内部調査(A2調査)の今後の進め方について(2015年7月30日)>
https://irid.or.jp/wp-content/uploads/2015/07/20150730_02.pdf

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TEMBO外観 配線接続のトレーニング
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ブロック回収ボックスの設置トレーニング 遠隔操作のトレーニング
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ブロックを持ち上げるための位置を調整中 ブロック持ち上げ
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ブロックを回収ボックスに移設 ボックスに回収されたブロック
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視察の様子① 視察の様子②

【動画】 ※YouTubeのサイトにリンクします。

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福島第一・2号機で、TEMBOがブロックの取外し作業をしている様子です(2015年6月10日)

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