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燃料デブリ臨界管理技術の開発/京都大学臨界集合実験装置(KUCA)を利用した「臨界近接監視手法」の開発(2017年6月21日)

2017年6月21日

燃料デブリは、現状は臨界になっていないと推定されています。今後の燃料デブリ取り出し作業時においても、その形状や水量等の状態の変化が予想されますが、臨界の形状を形成する可能性は非常に小さいと考えています。しかし、念には念を入れ、臨界の着実な防止を図るとともに、万が一臨界になった場合でも安全に終息できるように、未臨界監視技術や臨界防止技術の開発を進めています。

 

この各種研究開発のうち、このたび、実際に未臨界度の異なる炉心体系を模擬できる臨界集合実験装置(KUCA)を用いて、未臨界度を予測する手法の原理実証のための試験(基礎試験)等を開始いたしました。

【KUCAを用いての試験内容】
KUCAは燃料体とポリエチレン等を使用した中性子を減速する役割の減速材を組み合わせて臨界状態の異なる炉心を構成することができます。福島第一の原子炉は溶け落ちた核燃料と種々の溶融した物質が混ざり合った燃料デブリを構成していると考えられ、そのような燃料デブリの状態は、種々の未臨界度の異なる状態を形成していると推定されます。このため、燃料デブリの種々の状態を模擬するため、KUCAで、燃料体と減速材の割合を変えた未臨界度の異なる炉心を構成して、そこから出てくる中性子の信号データから開発中の手法で未臨界度を予測できるかどうかを検証するため試験を行うものです。
また、試験では、非溶解性中性子吸収材や溶解性中性子吸収材の中性子吸収能力を評価するための試験も実施します。

【参考資料】

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KUCA再稼働準備状況
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中性子計測回路
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中性子検出器

<KUCA炉心実験図(例)>
https://irid.or.jp/wp-content/uploads/2017/06/20170626.pdf PDF

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