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原子炉格納容器漏えい箇所の補修技術の実規模試験 圧力抑制室(suppression chamber,S/C)内充填止水技術の実規模試験について[IRID/東芝](2017年6月24日)

2017年6月24日

IRIDでは、福島第一原子力発電所の廃炉に向けて、平成28~29年度の経済産業省によるプロジェクトとして原子炉格納容器の漏えい箇所に対する補修技術の開発を進めておりますが、今回は、S/C充填止水技術のコンクリート打設試験を実施いたしました。

 

●試験概要【S/C充填止水技術】
燃料デブリ取り出し作業のため、S/Cと内外をつなぐ流路となる配管端部(クエンチャ*1、ストレーナ*2)及びS/Cの損傷部(φ50㎜以下を想定)を止水することを目的とした技術開発。また、ダウンカマ*3、真空破壊弁*4を埋設してベント管*5止水のバックアップ工法も検討中です。

*1:事故時、原子炉圧力容器内(RPV)に留まった蒸気をS/C内に排気し、RPV内の圧力を軽減する役目。S/C内をつなぐ配管の先はT型で、S/C内に水没している。配管の表面には無数の穴が空いており、穴から排気された蒸気は細分化された後、液化する。
*2:非常用炉心冷却系ポンプがゴミ等を吸い込み、ポンプを破損させないように、圧力抑制プール内のポンプ吸い込み口に設置してある金属製の網のこと。
*3:一般に下降流の生じる流路・配管部のこと。
*4:液体配管や蒸気使用装置などの流れが停止したときに、外部のエアを自動的に吸入することにより内部の液体の排出を容易にし、また配管や装置内の圧力が真空になることによる破壊を防ぐために設置される機器。バキュームブレーカーとも呼ぶ。
*5:配管において流体の道を変えるための管の1つ。 垂直方向から流下してきた流体を水平方向へ導くなど、いわゆる方向転換を目的とした管。

【参考】実規模試験の実施項目
・ベント管止水技術・・・・・施工性確認試験:第1回実施済
・圧力抑制室(S/C)内充填止水技術・・・・施工性確認試験:実施済、打設試験:今回済
・圧力抑制室(S/C)脚部補強技術・・・・・施工性確認試験:実施済

それぞれについて、施工性確認試験及び打設試験を行う予定で、今年度中に、一連の工法開発の実規模試験を完了させる計画です。

*試験スケジュールが確定次第、随時更新する予定です。

<添付資料:原子炉格納容器漏えい個所の補修技術の実規模試験/実規模試験概要>
https://irid.or.jp/wp-content/uploads/2017/06/20170628.pdf PDF

【添付写真】

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打設用コンクリートの搬入作業 コンクリートのサンプル検査
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打設装置 打設装置
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遠隔操作作業 遠隔操作作業

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