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研究開発中の「PCV(格納容器)下部補修技術」試験の進捗状況についてお知らせします

2014年5月30日

廃炉を進める福島第一原子力発電所において、格納容器(PCV)からの漏えい箇所を特定し補修することは、増え続ける汚染水の発生量を抑制するだけでなく、中長期ロードマップの燃料デブリ取り出しに向けたデブリ冠水にとっても必要不可欠なものです。今回は、経済産業省の補助事業によりIRIDが研究開発を進めている「格納容器漏えい箇所特定技術・補修技術開発/PCV下部補修技術」の試験の進捗状況をお知らせします。

 

現在開発中の補修技術は、ドライウェル(D/W)とサプレッション・チェンバー(S/C)を接続するベント管を閉塞して漏えいを止める工法で、具体的には、ベント管内で閉止補助材(ポリエステル繊維高強力糸織布)を膨張させ暫定的に水の流路を堰止め、その上流側に止水材(可塑性グラウト材)を充填・固化させてベント管を閉塞するものです。

今回の試験では、閉止補助材については、実物の二分の一スケールの模型を使い、折り畳んだ閉止補助材を広げる「空気・水充填試験」と「展開性確認試験」を実施。試験の結果、干渉物がないベント管では閉止補助材が隙間なく広がりベント管に密着。一方、干渉物のあるベント管では目標としていた隙間寸法以上となっており、今後の検討課題となっています。

また、止水材の試験については、実物の十分の一のスケールの模型を使い、ベント管と閉止補助材の隙間を塞ぐ「止水試験」を実施。流水の中での止水性能、止水に適した材料の配合、適切な注入速度などの確認を行いました。

今後は、今回の試験で得られた基礎的知見をふまえ、さらに検証を行なっていく予定です。

※本件に係る関連の資料は、以下をご覧ください。

<研究紹介 ベント管内へ止水材(グラウト)を充填する「止水工法」検討のための基礎試験実施について>
https://irid.or.jp/research/20140417/

<経済産業省 廃炉・汚染水対策チーム会合/事務局会議
平成26年3月27日 資料3-2「格納容器水張りに向けた調査・補(止水)技術の開発」>http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/pdf/20140327_02/140327_02_019.pdf

<株式会社 東芝 原子力事業部ホームページ>
http://www.toshiba.co.jp/nuclearenergy/

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