TOP > R&D Topics > 「ミュオン透過法」測定器の製作ならびに海外レビューの実施について(2015年1月20日)

「ミュオン透過法」測定器の製作ならびに海外レビューの実施について(2015年1月20日)

2015年1月20日

原子炉を透視する技術として期待されているミュオン技術の試験開始に向けて、測定器の製作など準備を進めています。今回のミュオン測定器は、IRIDが高エネルギー加速器研究機構(KEK)と連携して進めているミュオン透過法と呼ばれる技術で使用するものです。

 

KEKでは、平成26年12月から1200本もの波長変換用光ファイバーを1本1本丁寧に組み合わせて、測定器の作りこみを行いました。この光ファイバーはミュオンがあたると光るしくみで、ミュオンが密度の高い物質を通り抜けた後の粒子の数をデータとして蓄積していくことで、燃料の位置や形状を把握します。

平成27年1月15~16日には海外の専門家を招いたミュオン分科会を開催し、厚さ10cmの鉄製の箱(放射線の遮へい用)に収めた測定器を実際にご覧いただき、さまざまなアドバイスをいただきました。

IRIDでは、1月下旬に福島へ測定器を運搬し、福島第一・1号機において、早ければ2月初旬から測定開始する計画です。

測定を開始してから結果が得られるまでには約1ケ月ほどかかりますが、そこで得られた測定データをもとに、原子炉内に残っている燃料デブリの位置・量を評価し、デブリ取り出しに向けた次のステップにつなげていく計画です。

20150120_01 20150120_02
波長変換用光ファイバー。ミュオンがあたると光る ミュオン測定器の製作
20150120_03 20150120_04
放射線の影響を受けにくくするために遮へい用の鉄製箱に検出器を取り付け 測定器の外観(厚さ10cmの鉄製の箱)
20150120_05 20150120_06
検出器は3枚で1組 ミュオン分科会1
20150120_07 20150120_08
ミュオン分科会2 ミュオン分科会の委員による測定器視察