福島第一原子力発電所の原子炉建屋2・3階部分を除染するロボット「上部階用除染装置」の開発(2015年12月16日)
2015年12月16日
IRIDは、福島第一原子力発電所の原子炉建屋2・3階部分を除染するためのロボット「上部階用除染装置」を開発しています。
燃料デブリの取り出しに向けて、今後、漏えい箇所の調査や補修など、研究開発等の状況を踏まえながら、さまざまな作業が本格化していきます。そのためには、放射線量が高い作業エリアの環境を改善し、人が立ち入れるようにしていかなければなりません。
今回開発しているロボットは、まだ除染作業が始まっていない原子炉建屋2・3階部分の除染を行うためのものです。
開発にあたっては、東京電力からの現場情報およびニーズに基づき、IRID組合員である三菱重工業、日立GEニュークリア・エナジー、東芝の3社が、IRIDという技術研究組合の利点を生かして、メーカー間の連携を図りました。これにより、各社の技術を結集し、現場ニーズに合った、より効率的な除染装置の開発を行うことができました。メーカー3社が、今回のように設計情報を共有し、一つの装置(システム)を開発するのは初めての取り組みです。
IRIDでは、2015年9月から実機を模擬したモックアップ設備を用いて実証試験を重ね、遠隔でのロボットの操作性や走行性、除染性能や故障時の対応などについて確認してきました。
今後、実証試験で得られた知見を装置の開発に反映させ、平成28年度以降の福島第一原子力発電所への投入に向けて準備を進めていきます。
【装置の基本概要】
◆除染対象 2・3階の床面および壁面(高さ約2m)
◆除染方式 吸引、ブラスト、ドライアイスブラスト、高圧水ジェットの4技術
※台車を「共有化」し、適用する除染方式に応じて除染ユニットを交換
◆上部階へのアクセス 昇降リフタ(エレベーターのようなもの)で機器搬入口より進入
同ロボットの詳細は、報道機関向けに公開された際の以下資料をご覧ください。
「福島第一原子力発電所 上部階用除染装置」の開発(2015年12月16日)
https://irid.or.jp/wp-content/uploads/2015/12/20151216_01.pdf
【上部階用除染装置(動画)】 ※YouTubeのサイトにリンクします。
【上部階用除染装置(写真)】
ロボットの移動(高圧水ジェットタイプ) | 狭い場所での走行試験 | ロボットの移動(吸引・ブラスト除染タイプ) |
昇降リフタに移動する様子1 | 昇降リフタに移動する様子2 | 実証試験の視察の様子 |
昇降リフタに移動する様子3 | 昇降の様子 | モックアップ施設の上部階(2階)を移動 |
除染試験の様子 | 除染試験の様子(高圧水ジェット) | 遠隔操作の様子1 |
遠隔操作の様子2 | 遠隔操作の様子3 |
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