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原子炉格納容器(PCV)下部を模擬した実規模試験体の試験準備完了と試験計画について(2016年10月13日)

2016年10月13日

このたび、原子炉格納容器(PCV)下部の水漏れ箇所を補修する技術の確立のために活用する「実規模試験体」※の試験準備が完了しました。

※この試験体は、福島第一・2号機のPCV下部にあたるベント管、圧力抑制室(S/C)やトーラス室壁面などを模擬したもので、試験体のサイズは実寸大ですが、本来は円周状のS/Cを8等分して、その一つを切り出した形としています。

 

IRIDでは、平成26~27年度にかけて、PCV下部の補修・止水技術の開発に向けた要素試験(S/C脚部の補強技術、ベント管内埋設やS/C内充填による止水技術の開発など)を工場等で重ねてきました。
今後は、同試験体を活用し、これまでの要素試験等の成果を組み合わせた試験を実規模で行うとともに、遠隔操作による現場作業の手順等を確認するなど、PCV下部補修の技術開発に向けた知見を集積していく計画です。(研究期間:平成28~29年度の2年間)

【今後の予定】
S/C脚部補強の施工性確認試験(補強材の打ち込みは水で模擬)を11月から12月にかけ開始し、来年度の夏頃までに、一連の工法開発の実規模試験を完了させる計画です。
※試験スケジュールが確定次第、随時更新する予定です。

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(図1)試験体イメージ (図2) 試験体サイズ
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S/C実規模試験体全景 構造体建造物【高さ約15m、横幅約19m】
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入構前シェル内酸素測定の様子 シェル内測定記録
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作業フロアから試験体へのアクセス口 S/C内部へのアクセス口
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S/C内部への入構 S/C上部(トーラス室壁面の外周側)
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S/C上部とベント管(奥はトーラス壁) S/C内部(ダウンカマリングヘッダとダウンカマ)
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S/C内部(ダウンカマリングヘッダ) S/C内部とベント管先端部(真空破壊弁の模擬は無)

<参考>
【実規模試験体の製作過程】

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S/C脚部据付(2015年12月8日撮影) S/C据付(2015年12月23日撮影)
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トーラス室壁面据付(2016年2月9日撮影) ベント管据付(2016年2月15日撮影)

試験体の製作過程の詳細はこちらからご覧いただけます PDF

<関連資料>
・平成27年度研究開発成果
原子炉格納容器漏えい箇所の補修・止水技術の開発 PDF
原子炉格納容器漏えい箇所の補修・止水技術の実規模試験 PDF

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