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原子炉格納容器(PCV)下部を模擬した実規模試験体の製作完成と試験計画について(2016年4月20日)

2016年4月20日

IRIDは、このほど、原子炉格納容器(PCV)下部の水漏れ箇所を補修する技術の確立のために活用する「実規模試験体」を楢葉遠隔技術開発センター内に製作しました。
この試験体は、福島第一・2号機のPCV下部にあたるベント管、圧力抑制室(S/C)やトーラス室壁面などを模擬したものです。

 

試験体のサイズは実寸大ですが、本来は円周状のS/Cを8等分して、その一つを切り出した形としています。(図1、図2参照)

IRIDでは、平成26~27年度にかけて、PCV下部の補修・止水技術の開発に向けた要素試験(S/C脚部の補強技術、ベント管内埋設やS/C内充填による止水技術の開発など)を工場等で重ねてきました。
今後は、同試験体を活用し、これまでの要素試験等の成果を組み合わせた試験を実規模で行うとともに、遠隔操作による現場作業の手順等を確認するなど、PCV下部補修の技術開発に向けた知見を集積していく計画です。(研究期間:平成28~29年度の2年間)

【今後の予定】
平成28年 秋以降   S/C脚部補強のためのモルタル充填試験
平成29年度      ベント管止水とS/C内充填止水(ダウンカマ止水)の試験

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(図1)試験体イメージ (図2) 試験体サイズ

【実規模試験体の製作過程】

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S/C脚部据付(2015年12月8日撮影) S/C据付(2015年12月23日撮影)
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トーラス室壁面据付(2016年2月9日撮影) ベント管据付(2016年2月15日撮影)

試験体の製作過程の詳細はこちらからご覧いただけます PDF

<関連資料>
・平成27年度研究開発成果
原子炉格納容器漏えい箇所の補修・止水技術の開発 PDF
原子炉格納容器漏えい箇所の補修・止水技術の実規模試験 PDF

【楢葉遠隔技術開発センター試験棟 完成式の様子】
平成28年3月30日、楢葉遠隔技術開発センターの試験棟の完成式が開かれました。
IRIDも参加し、来賓や報道機関の方々に、実規模試験体を紹介しました。

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式典後の視察会の様子(実規模試験体前にて) 来賓の方々に実規模試験体を紹介
(説明者:IRID・桑原開発計画部長)
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実規模試験体を試験棟3階エリアから撮影

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