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英国物理学研究所(NPL)での試験視察とセミナー開催
(2019年1月16・17日)

IRIDでは、福島第一原子力発電所内の燃料デブリ取り出しを安全に行うため、再臨界の防止や万が一再臨界が生じても速やかに検知し終息させるための臨界管理技術の開発を行っています。このため、海外の研究機関や専門家とも連携して活動を行っています。

今回ご紹介する英国物理学研究所(NPL)での試験視察とセミナー開催は、IRIDが進めているプロジェクト「燃料デブリ・炉内構造物の取り出し工法・システムの高度化(臨界管理方法の確立に関する技術開発)」における「再臨界を検知する技術開発」の中の、″PCVガス放射線モニタの検出器校正技術開発″の一環として実施したものです。

訪問先

英国物理学研究所(NPL:National Physical Laboratory)(ロンドン近郊のテディントン)

成果

現在、再臨界やその兆候を検知するための方法としては、PCVガス放射線モニタにてXe-135のガンマ線を監視する方法で実施していますが、より早期に検知するための方法として新たにKr-88のガンマ線の検知を目指しています。但し、Kr-88が発する高エネルギーのガンマ線の計測量からKr-88の濃度を精度良く推定するためには、検出器が計測するガンマ線量とKr-88濃度の関係を正しく求めておく必要があります。これを″校正″と呼びます。NPLは、現在、Kr-88を実際に生成し検出器を校正できる唯一の機関であり、今回、ここに校正技術の確立を依頼し目的を達成することができました。
また、NPLは計測標準作成の世界的権威であり、多くの研究者が在籍しているため、今回の訪問を機会にセミナーを開催し福島の廃炉にも役立てられる研究紹介を相互に行い有益な情報交換ができました。

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【写真】

  • 試験視察出席者

  • バンデグラフ加速器

  • 中性子照射用黒鉛パイル

  • 試験設備の視察風景

  • 清浦研究管理部長講演

  • 京都大学中島教授講演

活動報告